■【今日の1859】「涙」
彼は泣かない人だと知っていた。
例えば
中学時代にトンファーで痛めつけた時
例えば
未来で拷問を受けた時
彼の瞳にはけして涙は浮かばなかった。
だから僕は驚きを隠せない。
隠せないんだよ、獄寺隼人。
君が
僕の言葉で
涙を流すだなんて。
「君が、好きだよ」
ただ、この一言が
どれだけ君には重かったんだい?
「遅いんだよ、バカが…」
口の悪さは今まで通り
だけど、泣きすぎて枯れた声でそんな事言われたから
僕まで泣きそうになった。
「俺も、お前が好きだ」
2009/04/04